2014年12月26日金曜日

オーディオ世界のオカルト性について考える

オーディオ=オカルトと言う様な風潮があります。

オーディオ世界がオカルトと言われる所以は以下の3点に尽きるのではないでしょうか。
結論は最下行に書いてあります。

1.理解し難い高額商品の存在

2.原理説明不能な商品を実しやかに理論付けて販売する。

3.一般の人に理解不能な「音の追求」または「無意味と一蹴」するマニア



1.について考察してみましょう。

iPod shaffleやポータブルCDプレーヤーは5,000円あれば新品が買えます。
一方ハイエンドオーディオの世界では音の出る構成を揃えるのに1,000万円位はざらです。
この価格差はなんと2000倍です!。
同じ機能を有する他の家電製品で比べても2,000倍の差がある商品なんてありません。
食べ物ではどうでしょう。一流シェフのレストランに行って牛丼チェーン店の500円の2,000倍
100万円の料理を出せと言われたらシェフは困るでしょう。
新車で2,000倍の価格差がある車を探せるでしょうか?
新居住宅で2,000倍の物件を探せるでしょうか?
新品の楽器で2,000倍の価格差を探すのも難しいでしょう。

洋服、家具、化粧品、アクセサリーは?
ブランド品とノーブランド品では2,000倍の価格差はあり得ます。
骨董品、美術品、宝石、ビンテージワイン、ビンテージ楽器なら2,000倍もあります。
これらは希少価値という立派な理由が存在していますが。

「音=品質」を度外視して「ブランド」で売ったり、買ったりするのであれば、正常と言えます。
「音=品質」を横に置いて、「外観」にこだわって売ったり、買ったりするのであればこれも正常でしょう。

肝心の「音=品質」の評価を、「iPodと比較して2,000倍の価値あり」と販売するメーカーがあるでしょうか。また、逆に「2,000倍の価値あり」と判断して買う人はいるのでしょうか?
価格差=品質の差という常識が通じないのがオーディオの世界です。これがオカルトと呼ばれてしまう原因の一部でしょう。

2.あやしげなオーディオアクセサリー
原理説明不能なオーディオ関連商品など山ほどあります。
・アンダーボード(オーディオボード)→まあ、ただの板です。
・CD消磁器→CDが帯磁すると読み取り精度が劣化するようです。MDじゃあるまいし。
・マイナスイオン発生器→空気が汚れると音の伝播特性が悪くなるようです。
・サウンドレボルバー→部屋に置くだけで重低音と倍音効果が出るそうです。
・電磁波吸収器→同じく置くだけで電磁波と静電気が吸収され音質が向上するそうです。
・ミラクルサウンドシャワー→床の振動を拾って音叉の原理で共振させるようです。
・超結界機器用シールド?→結界を張ってマイナス情報(?)から守るようです。
・アナログスタビライザー→回転するレコードの上に載せて重しをかけるものです。
・グランディングコンディショナー→機器の端子に接続することでアース効果を生んで聴感S/N(?)の劇的向上が見込めるそうです。
 

これら商品群はそのままオカルト性を持っています。
理解できない物理特性が働いている?大手メーカーは何故販売しない?
こればかりは「実感」できなければ何も論ずることは出来ません。
これらの商品は「価格」対「音品質」が存在しません。ゼロかイチかです。
確かなのはプラシーボ効果が出易いということです。

3.限りない音品質を追求する人々と無意味と一蹴する人々
音が変化する要因として現在考えられるTIPSを挙げてみました。私は電気屋ですがどれが効果的で本当かなど私には分かりません。AC電源のリッピング、TCP/IP、デジタルプロトコル、異種金属間の電蝕(でんしょく)、導体の温度抵抗変化などの知識があってもです。「変化する」のは間違いなく、良いか悪いかは別問題です。

・AC100V電源の影響→これがもっとも熱いかな?
(ACケーブルの交換、コンセント交換、屋内配線ケーブル交換、コンセントの極性、ノイズ源となる家中の家電機器の見直し、アイソレーショントランス、ダウントランス等)
・RCA/XLRケーブル、スピーカケーブル、USBケーブル、LANケーブルと音質の違い
・電気接点のめっき、めっきの種類、非めっきと音質の違い
・はんだの種類と音の関連
・PCのメモリー、HDD、SSDと音質の違い
・オーディオ専用PCの存在(静音PCを除く)
・オーディオ専用NASの存在(利便性、静粛性を除く)
・CDトレイを閉じるのにプレイボタンを押してはならない(情報が欠落するようだ)
・そのうちオーディオ専用キーボード、マウス、ディスプレイが現れるか?
・未使用端子の入力ショート片、カバー等

知識のない人(非マニア)がマニアに進められれば、そうなのか、と納得するものばかりかも知れません。あるいは「全く無意味だから」と教えられれば、そうなのかと納得するでしょう。

オーディオに拘る人の特徴として、これらを全く無意味とする人と半分程は信じるという人と全てに気を配るという人に別れます。すべてオーディオマニアだと思います。(私もです)

「無知の知」という言葉があります。真の知の探求はまず自分が無知であることを知るという意味です。このことを踏まえて論ずることは賛成できますが、あまりにも知らないこと=未知の事実という図式で音響を論ずることが往々にしてあります。
マニアを自称するのであれば知識の蓄積、経験する努力(例えばDBT=ダブルブラインドテスト)はあたりまえです。「そう感じるのならそれでよい」で済む話ではないと思うのです。
非マニアの一般の人が「オーディオ趣味を始めた後の」行く末を案じないわけがありません。

これこそが「オーディオのオカルト性」を生んでいるのです。


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